ひとつの夜に落ちる雨は、温くて何処か優しい。そして残酷。
■
*
2011/08/16 (Tue)
僕の涙は生きていて
君の涙は死んでいた
それでも顔を突き合わせていたから
互いの涙は混じり合って流れた
それこそが運命の始まりだったのだと思う
君の冷たい唇に僕の温い唇を重ね
微かに舌を這わせた
固まった歯に阻まれてそれ以上進めない
僕は手を君の身体に沿わせた
首を撫で、鎖骨を触り
胸に触れた
手首を掴んでも、生きた証は感じられない
嘘だと言ってくれ
この降りしきる雨に君の体温が奪われただけだろう?
ずっとこんな処に居たら風邪をひくね、
呟いた僕は重くなった君を抱え歩き出した
歩いている間じゅう君に話しかけた
君の相槌、笑い声、
全てが聴こえてくるような気がした
ぬかるみに嵌って僕と君は倒れた
始まった運命はこんな簡単に終わってしまった
僕は歯を食いしばり
それでも君を離したくないと
無力なまま泣き続けた
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プロフィール
HN:
一夜
性別:
非公開
自己紹介:
夢を見忘れた大人が
始りから終りまでやるせない言葉を吐き出します。
それでもその中から
静かな気持ちを感じ取ってくだされば。
嬉しいです。
始りから終りまでやるせない言葉を吐き出します。
それでもその中から
静かな気持ちを感じ取ってくだされば。
嬉しいです。
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