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ひとつの夜に落ちる雨は、温くて何処か優しい。そして残酷。
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2011/08/17 (Wed)

本棚に囲まれたこの部屋
無機質な背表紙ばかり
その真ん中に僕は立っている
静かに
ずっと立ち尽くしている


目だけを動かす
探しているのだ
この本だらけの部屋の中から
君と僕だけのお話
あの時の思い出を
微かに感じるのだ
この場所のどこかに
僕たちの時間は残されているのだと







早く見つけたい
君はもうすぐ消えてしまうのだから
早くしないと
君はもう消えてしまうのだから
なのに動けない
いっそのこと本棚を全部倒してバラバラにしてしまえば
すぐにでも見つかりそうなのに


見つけることができない
理解してしまったのだ
表情の無い本の群れ
その中に
本物のお話は存在しないことを
僕たちのあの時だって
きっと嘘だらけで綴られているということを


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プロフィール
HN:
一夜
性別:
非公開
自己紹介:
夢を見忘れた大人が
始りから終りまでやるせない言葉を吐き出します。

それでもその中から
静かな気持ちを感じ取ってくだされば。
嬉しいです。
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